パリのグラン・カフェ地下でリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフが有料公開されました。
世界で初めて映画がスクリーンに映し出されたのが、1895(明治28)年のこの日です。
当時上映されたのは、「工場の出口」「馬芸」「金魚採り」などの10作品でした。
パリ→フランスに関する昔話
動物の国の王さまは、ライオンでした。
そのライオンは、たくさん、たくさん年をとったおじいさんでしたけれど、まだまだ、りっぱに動物の国を治めていました。
「みなの者、弱い者いじめをしてはならないぞ。自分より弱い者、小さい者をいじめた者は死刑にする」
ライオンの王さまは、そう決めて、動物の国でも小さくて弱い者のウサギやヒツジを守ってやりました。
りっぱな、やさしいライオンでした。
だから、動物たちはみんな、ライオンが大好きでした。
ところが近ごろ、ライオンは、目が見えなくなってきたのです。
だれでも年をとると、目がかすんできます。
ライオンも、あたりがボーッとして、走ることができなくなってしまいました。
それを見て大喜びしたのは、総理大臣のトラです。
ライオンが、王さまのつとめを果たせなくなったときには、トラが王さまになれるはずでした。
「もうすぐ、ライオンは目が見えなくなって、なんにもできなくなるぞ。そうしたら、わしが動物の国の王さまだ。王さまになったら、弱虫やチビの動物は、片っぱしから食ベてやる」
トラは、そう思っていました。
そして、動物たちはみんな、トラの考えていることを知っていました。
「どうか、ライオンの目が、もう一度よく見えるようになりますように。トラは、王さまになりませんように」
ライオンが大好きな動物たちは、みんな、一生けんめいに願いました。
けれど、ライオンの目はだんだん悪くなるばかりです。
「ああ、わしはもう、王さまとして、動物の国を治めることができないのかなあ」
ある日のこと、ライオンは、ため息をつきながら、のそのそ歩いていました。
すると、ほら穴の奥のほうから、人間のにおいがしてきます。
目は見えなくても、鼻は、まだきくライオンは、そっとほら穴にはいっていきました。
ほら穴の奥では、人間のおじいさんが、ひとりで本を読んでいました。
おじいさんは、大きなライオンが近づいてきたのを見ると、ビックリして腰をぬかしながら叫びました。
「た、助けてください!」
「人間のおじいさん、どうか、ビックリしないでください。わたしは、あなたを食べようなんて思っていません。ただ、あなたがとても年をとっているのに、こんな小さい字の書いてある本が読めるのを、ふしぎに思ったのです。年をとっても目がかすまない薬でも持っているのかと、聞きたいのです」
ライオンは、このごろ目が見えなくて困っていることを、おじいさんに話しました。
王さまの位をねらっている、いじわるで、わがままなトラのことも話しました。
「年をとっても目が見えるのは、これのおかげじゃよ」
ライオンの話を聞いたおじいさんは、ニッコリして、おでこにのせていた物をライオンに渡しました。
それは、めがねでした。
「あんたは、やさしいライオンじゃ。王さまらしいりっぱなライオンじゃ。あんたが、いつまでも王さまでいられるように、このめがねをあげよう」
おじいさんは、ライオンにめがねをかけさせてくれたのです。
すると、たちまち、あたりの物が、はっきり見えてきました。
草の葉っぱにとまっている、小さなてんとうむしまで、ちゃんと見えました。
ライオンは大喜びで、めがねをもらうと、ウォー、ウォー、と、喜びながら、岩を飛び越えて走って帰りました。
「ばんざーい、ばんざーい。王さまの目が見えるようになったぞ!」
動物たちは大喜びで、ライオンを迎えました。
たったひとり、トラだけは、ガッカリして病気になってしまいましたけれど、それからもずっと、ライオンは元気で、今も、めがねをかけて動物の国を、りっぱに治めているのです。