日本事務機械工業会が、1974(昭和49)年のこの日に日本の電卓生産数が世界一になったことを記念して制定しました。
1973年、シャープが発売した世界初の液晶表示電卓「エルシーメイト」の量産化が大きく貢献しました。
計算に関する昔話
むかしむかし、きっちょむさん(→詳細)と言う、とてもゆかいな人がいました。
ある日のこと。
きっちょむさんが町の瀬戸物屋(せとものや)にやってきて、店先のつぼをしきりとながめていました。
「うむ、なかなかいい」
いかにも、感心したようにいうと、
「どれ」
と、両方の手に一つずつ、大きいつぼと小さいつぼをとりあげて、
「番頭(ばんとう)さん。このつぼは、いくらかね?」
「へえ、ありがとうございます。左手にお持ちの大きいつぼは十両(七十万円)。右手にお持ちの小さいつぼは五両(三十五万円)です」
きっちょむさんは、大きいつぼと小さいつぼをくらベて、どっちにしようかと、首をひねっていましたが、
「よし、この小さいつぼにしよう。それ、代金の五両」
きっちょむさんは五両をはらうと、小さいつぼをかかえて店を出ていきました。
ところがしばらく歩いていくと、すぐにひきかえしてきて、
「やっぱり、大きいのがいいな。番頭さん。大きいつぼにしよう」
「はい、さようでございますか」
番頭は小さいつぼをうけとって、
「どうぞ」
と、大きいつぼをわたしました。
きっちょむさんはつぼをうけとると、そのまま店を出ようとするので、番頭が、
「もしもし。その大きいつぼは、十両でございます」
「十両。ああ、それはちゃんと、そっちヘはらったが」
「へえ?」
「はらったが」
「へえ?」
と、番頭は首をかしげました。
きっちょむさんは念をおすように、
「いいか、前にはらった代金が五両。そして、いま返したつぼが五両の品。しめて十両」
「ああ、なるほど」
と、番頭はうなずきましたが、手もとには、五両しかありません。
「はてな? ちょっとお待ちくださいまし。どうも、おかしい」
「おかしいことはあるまい。ああ、それそれ。そこのそろばんを持ってきなされ。そろばんなら、まちがうこともありますまい」
「へえ、そろばんなら、とくいちゅうのとくいで」
番頭は、ニコニコしながら、とくいのそろばんを持ってきました。
「さあ、ちゃんとおまえさんの手で、はじいてみなされ」
「しょうちしました」
「まず、小さいつぼの代金を五両はらった」
「へえ、小さいつぼが五両。たしかに」
パチン
「その小さいつぼを、いま、おまえさんがうけとったから、その値段が五両。しめて十両だ」
パチン、パチン
「へえ、たしかに十両。まいどありがとうございます」
番頭は、大きな声できっちょむさんをおくりだしました。
しかし、きっちょむさんが帰ってからも、番頭は、まだそろばんをはじいています。
「はじめに五両もらって、つぎに五両のつぼを受け取った。しめて十両。それなのに、手もとには五両」
さすがのそろばん上手も、首をひねりました。
「さてさて、ふしぎなそろばんじゃ」