毎月23日は、「ふ(2)み(3)きり」の語呂合わせから踏切の日です。
特に梅雨で雨が多いために事故が発生しやすい6月は、重要視されています。
踏切には第1種から第4種がありますが、遮断機と警報機のついた安全性の高い第1種甲が原則になっています。
それでも最近の鉄道関連の死亡事故は、そのほとんどが踏みきりで起きています。
鉄道に関する昔話
むかし、まだ汽車(きしゃ)がめずらしかったころのことです。
いなかの村にも、汽車がはしるようになりました。
あるばん、きかんしゅがシュッポシュッポと、汽車をはしらせていくと、むこうから、くるはずのない汽車がはしってきます。
「あっ、あぶない!」
急ブレーキをかけてとまると、ふしぎなことに、あいての汽車はかげもかたちもありません。
こんなことが何度もあったので、きかんしゅはカンカンです。
あるばん、きかんしゅは、にせものの汽車があらわれると、ブレーキをかけるどころか、反対にスピードをあげました。
ドカーン!
ぶつかりましたが、そのとたん、にせものの汽車はパッときえて、かげもかたちもありません。
そのばんおそく、薬屋の戸をたたくものがありました。
みせのひとがでてみると、お寺の小僧さんです。
「和尚(おしょう→詳細)さんがやけどしました。やけどのくすりをわけてください」
「それはおきのどく。どうぞ、おだいじに」
薬屋はつぎの日、和尚さんをおみまいにいきました。
すると、和尚さんはピンピンしています。
「なに、わしがやけどをした? それに、うちの寺にはいま、小僧をひとりもおいていない。これはひょっとすると、うらのやぶにすんでいるタヌキかもしれん」
和尚さんは薬屋と、やぶへまわって、タヌキのあなぐらをのぞきこみました。
すると、タヌキはやけどをした頭に、せっせとくすりをぬりこんでいます。
「いったい、どうしたんじゃ?」
和尚さんがきくと、タヌキは、
「汽車がとおるようになって、やぶがけずられて、うるさくてひるねもできません。それで、汽車にばけておどかしていたのですが、ゆうべは汽車のかまどに頭をぶつけて、ごらんのありさまです」
「そうか。にせものの汽車は、おまえだったのか。まあ、やけどくらいですんでよかった。はやくなおして、げんきにおなり」
和尚さんはそういって、タヌキをなぐさめました。