1912(大正元)年のこの日、東京・数奇屋橋のタクシー自動車株式会社が、日本で初めてタクシーの営業を開始したことを記念してタクシー業界が1989(平成元)年に制定しました。
当時はT型フォード6台で営業していたそうです。
タクシーに関する昔話
いまは、タクシーという、べんりな物がありますが、むかしはそんなものはありません。
まあ、「かご」というものが、いまのタクシーのようなものでしょうか。
そんな、むかしの話でございます。
ある男が急用をおもいだして、かごにのりました。
「これ、かごや。急用でいそいでいるんだ。金はたくさんだすから、いそいでくれ」
「へい。では、しっかりつかまっていてくださいよ」
それからちょうしよく、
「えいっほうっ、えいっほうっ」
と、いそいでゆきますが、どういうわけか、うしろからきたかごにおいぬかれてしまいました。
客の男は腹を立てて、
「いそいでくれというのに、なぜ、いそいでくれない! みてみろ、今、うしろからきたかごが、さきにいったぞ」
と、いうと。
「でもだんな、そいつは、むりですぜ。なにしろ、むこうは、三まいですからね」
「三まいとはなんだ?」
「へい、三人でかつぐことです」
「三人でかつげば、そんなに早いのか」
「へえ、そりゃあもう。まあ、お代金もそれなりですがね」
すると、客の男、
「よし! それならば、かごをとめろ! 金は三人分はらってやるから、おれもでて、三人でかつごう」